はじめに:つい「反応」して疲れていませんか?
「あの人の言い方が気に障る」 「将来が不安で眠れない」 「SNSを見てモヤモヤする」
毎日、こんな風に心がざわついて疲れてしまうことはありませんか? 私も以前は、些細なことで一喜一憂しては、家に帰ってぐったりしていました。
しかし、草薙龍瞬さんの著書『反応しない練習』を読んで、その原因がはっきりと分かりました。 それは、性格の問題ではなく、心が「ムダな反応」をしすぎているからでした。
今回は、私の読書ノートから、心を静かに保つための重要なエッセイ(気づき)を3つシェアします。
この本を一言で言うと?
「ブッダの教えを、現代人の『悩み解消ツール』として超合理的に解説した本」です。 宗教的な難しい話ではなく、「どうすればラクに生きられるか?」という実用的なメソッドが詰まっています。
ノートから抜粋した「心の守り方」3選
1. 悩みの正体は「心の反応」である
私たちは悩みがあると、つい「あの人が悪い」「環境が悪い」と外側に原因を求めがちです。 しかし、この本ではこう断言されています。
悩みを創り出しているのは「心の反応」である。 だから、心がけなければいけないことは一つ。「ムダな反応をしない」こと。
すべての苦しみは、出来事そのものではなく、それに心がどう反応したか(怒り、不安、妄想)によって生まれます。 つまり、「反応しない」と決めるだけで、悩みは物理的に消滅するのです。
2. 「妄想」にはラベリングをする
ふとした瞬間に「あ、失敗したかも」「明日どうしよう」と頭の中でぼんやり考えてしまうこと、ありますよね。 ノートに書いて衝撃を受けたのが、この一文です。
頭の中にしか存在しないから「妄想」です。
これへの対策はシンプルで、**「客観的な言葉で確認する(ラベリング)」**こと。 「あ、今、妄想しているな」「将来のことを考えているな」と、他人事のように実況中継するだけで、心はスッと落ち着きを取り戻します。
3. 「判断」はただのヒマつぶし
個人的に一番刺さったのがここです。私たちは無意識に、自分や他人をジャッジ(判断)してしまいます。
- 「自分は正しい、あの人は間違っている」(慢心)
- 「どうせ自分なんてダメだ」(卑下)
実は、「自信がない」「自分はダメだ」と落ち込むことも、仏教では「慢(プライド)」の一種と呼びます。「自分の価値にこだわりすぎている」という意味で、偉そうにしているのと同じ心の状態なのです。
著者はこう言います。 「人間が考える多くの判断は、実は有益でもないし真実でもない。いわば『ヒマつぶし』です」
「これは真実か?役に立つか?」 そう問いかけて、NOであれば、それはただの脳のヒマつぶし。そう割り切ることで、他人の目や評価が驚くほど気にならなくなりました。
実践:「反応しない」ことが最高の勝利
嫌なことを言われたり、マウントを取られたりした時。 言い返したり、心の中で戦ったりする必要はありません。
「反応しないことが、最高の勝利である」
相手がどう思おうが、それは相手の課題(相手の反応)です。 こちらが反応しなければ、そのネガティブな感情は自分の内側には生まれません。
「へぇ、そうなんですね」と受け流し、自分の心をクリアに保つこと。これこそが、現代社会を賢く生き抜くための最強の防衛術だと感じました。
まとめ:こんな人におすすめ
『反応しない練習』は、特にこんな方におすすめです。
- つい考えすぎて動けなくなる人
- 他人の評価が気になって仕方ない人
- 「自信がない」が口癖の人
読むと、「なんだ、もっと適当でよかったんだ」と肩の力が抜けます。 心のノイズを消して、静かに暮らしたい方は、ぜひ手にとってみてください。


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